![](https://imageproxy.pixnet.cc/imgproxy?url=../images/1RKdU4Bx4pytL9bn0_U0bQ.jpg&width=300&height=450)
30日にSolo始動10周年を迎える歌手のGACKTさんが、Jacket写真で「アゲ嬢」にふんした「小悪魔へヴン」(10日発売)から4週連続でSingleを発売する。Coupling曲「My Father's Day」は、07年のNHK大河Drama「風林火山」で共演した故・緒形拳さんへの追悼曲という。名前をすべて大文字に改めたGACKTさんに、これまでの10年と緒形さんとの思い出を聞いた。【西村綾乃】
99年にBandを脱退し、Solo Debut。この10年は「波瀾(はらん)万丈だった。動物園に入ったら、地震が起きてオリが全部壊れて動物が飛び出したみたいな。動物に食べられるんじゃないかとビクビクしてたけど、気付いたら味方をしてくれる動物が周りにいた。怖いと思ってたのは僕の方じゃなくて、動物たちだった。そう思ったら心が開けるようになってきた」と振り返る。
99年6月、「Mizerable (ミゼラブル)」からSingle 30枚、9作のAlbumを発表した。07年にはNHK大河Drama「風林火山」で上杉謙信を熱演。Dramaの中で謙信の軍師・宇佐美定満を演じた俳優の緒形さんとは「ガックン」「父さん」と呼び合う仲だったという。
「『大丈夫だ。パパが付いてる』と、息子のように可愛がってくれた。死に方まで教わった気がする。大河の撮影が終わる前日、休憩室で『撮影が終わると思うと寂しい』と言った僕に、『終わるんじゃない。すべてはここから始まるんだ』とニコニコ笑いかけてくれた。死は大きな出来事。笑って見送れるかといったら、そんなに簡単じゃない。でも残してくれたもの。受け取った僕はここから始めなくちゃいけないと思っている」
「My Father's Day」は、肝臓がんを身内以外には明かさず、俳優としての人生を貫いた緒形さんへの思いがちりばめられている。楽曲は、緒形さんの通夜が営まれた夜、生まれた。
「Shockで2~3日眠れなくて、落ちてた。でも(緒形さんが)落ち込むことを望んでいないと思って、受け取ったものを形に残そうと。僕にとって(緒形さんは)軍師。自分の道を指し示してくれた人。楽しいとき笑えなかった僕に、笑顔を届けてくれた。表現や伝えるということを教えてくれた。人はいくつになっても可愛いと思ってもらえることが大事だと。出会えたことは奇跡。出会えてよかった」と振り返る。
4週連続Singleは「“喜笑”転結。最初の2枚は(Jacketで)女装したり、裸でパンツを振り回したり、メーターを振り切って遊んだ。後の2枚はいつもの自分の世界」と表現する。第1弾の「小悪魔へヴン」は恋に頑張る女の子を描いた。「女の子のブログみたいに」と歌詞に絵文字を使用し、Liveではリズムに合わせてPlayerが動く音楽Game「パラパラパラダイス」も取り入れている。
「Liveは物語を基軸に組み立てるものと、曲を知らなくても楽しめることの(両方が)大事だと思っている。魅せる、聴かせる、踊らせる、楽しませる、感動させる、泣かせる。そして何かを持って帰ってもらうというのが僕のLive哲学」という。Liveでは歌はもちろん、バイオリンやギター演奏、ダンスなど多才な姿を見せる。「ホントは三つ子なんだ」とジョークを飛ばしながら、「女の子を喜ばせるのと一緒だよね」と笑顔を見せた。
「この10年は、表現者という言葉を手に入れるためにもがいていた、試験していた、みたいな(感じ)。ここからの10年は表現者という言葉を通して結果を組み上げていきたい。Musician、役者、カテゴリーも超えて。発想の“自由化”というのかな。見たことも、触れたことも、味わったこともない感動を届けたい」と思いをはせていた。
<GACKT Profile>
GACKT(ガクト)。7月4日、沖縄県生まれ。Band活動を経て、99年6月、Oricon 2位を記録したSingle「Mizerable (ミゼラブル)」でSolo始動。07年6月に発売したSingle「RETURNER~闇の終焉~」で自身初のOricon 1位を記録した。同年、NHK大河Drama「風林火山」に上杉謙信役で出演。08年はHollywood映画「BUNRAKU」(2010年公開予定)の準主役に抜てきされるなど幅広く活動している。Solo Debut 10周年企画として10日の「小悪魔へヴン」をはじめ、「Faraway~星に願いを」(17日発売)、「LOST ANGELS」(24日)、「Flower」(7月1日)を発売。先行配信も展開している。