1990年代にPinkを迎えその後衰退の一途をたどった日本のVisual系音楽。ところが最近、Europeでは「カワイイ(KAWAII)」「キュート(Cute)」だとして、人気を集めている。どうやら、背景には日本Animeのブームがあるらしい。
■「VOGUE」から取材を受けて華々しくDebut
Animeの世界から飛び出してきたかのようなVisualが印象的な男性5人のBand「Versailles（ヴェルサイユ）」。France・ヴェルサイユ
宮殿を想像させるBand名の通り、中世Europeの貴族のような豪奢な衣装で、耽美な世界観を歌い上げる。Rock調の音楽だが、歌謡曲やClassicsの要
素も感じさせる音色が特徴だ。
2007年3月に結成されたこの新しいBandが、Europeで人気急上昇している。
Hitのきっかけとなったのは、07年5月にMember自ら動画投稿Site「ユーチューブ(Youtube)」に載せたPVの映像だ。それを見た海外の音
楽関係者からLiveの出演依頼があった。Mediaからも注目され、France版「VOGUE」から取材を受けるという華々しいDebutを飾った。Europe
を軸においた活動が成功し、結成から半年後にGermany Record会社と契約した。First AlbumはEuropeと日本で同時発売され、日本では海外から
「逆輸入」される形で注目を集めた。
ところでYoutubeには、Visual-KeiというKeywordで検索すると、1万7000件を超す動画が載っている。そのほとんどが日本のVisual系Bandの映像だ。
Visual系Band 5組が所属する音楽事務所PS Companyの音楽Producer、隅田和男氏は
「日本Animeの人気が影響しているのではないか」
と見る。
■Anime CharacterのようなLooksがうけている
欧米でも派手な化粧や衣装を売り物に、Rockを演奏するBandは珍しくない。しかし日本人のVisual系は、それとは別物として見られていて、Anime CharactorのようなLooksが「カワイイ(KAWAII)」と受けているというのだ。確かにYoutubeでも、「KAWAII」「Cute」といったCommentが目立つ。
ただ隅田氏は
「今後は淘汰されていくだろう」
とし、空前のVisual-Keiブームの先行きについては慎重だ。Visualだけでは飽きられ、結局のところは音楽性で勝負することになるというのだ。
派手なMake-upと衣装でRockを奏でるVisual系の元祖と言われているのは、1980年代後半～90年代にかけて活躍した「X
JAPAN（旧X）」だ。赤や金色に染めた髪の毛を逆立てて奇抜な衣装をまとい、激しいRockや、時にはGuitarの音色が切ないBalladを演奏するという独
自のStyleを築き上げた。Visualだけではなく、高い技術を持った音楽性が評価されている。
日本では、Visual系Bandが90年代にたくさん登場した。そんな中で、まるで「宝塚」のような格好をしたバンドも誕生してきた。「MALICE MIZER」がその代表格で、最近のVisual-Keiと呼ばれる音楽にも、大きな影響を与えたと言われている。
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